平 成 18 年  年 頭 挨 拶

神戸市東部水産物卸売協同組合
理事長  村 上  義 國


将来の生き残りを視野に入れた改革を

 新年明けましておめでとうございます。新春を迎えるに当たり、皆様方のご健勝とご繁栄を心からお祈り申し上げます。
 今年は「戌」年です。キャンキャンと吠えるだけでなく!吠えたら神戸東部市場を振り返ってもらえる吠え方をしたいと願っております。

 昨年は愛・地球博に中部国際空港「セントレア」開港と中部圏が元気な1年でありましたが、今年の2月には神戸空港「マリンエア」が開港し、神戸経済の発展と市場を変える新たな息吹があると期待しています。これを大きな節目として、神戸東部市場の更なる改革に挑戦していかなければなりません。

 さて、景気は回復基調にあると言われていますが、中央卸売市場を取り巻く環境は依然として厳しく、流通は生産から小売まで組織化、大型化し資本集約が一段と鮮明になり、一方では市場内流通の活性化をいかに図るか等問題が山積しています。卸売市場法改正により一層の規制緩和が図られ、第8次卸売市場整備基本方針により中央卸売市場の統廃合、縮減の方向が明らかとなった状況の中、阪神間の神戸東部・尼崎・西宮の各卸売市場の仲卸業者が中央・地方の枠を超えて互いに話し合い、何らかの打開策を見出そうと「これからの市場を考える会」を発足し、将来の生き残りを視野に入れた研究検討を進めています。このように、関係者が一致団結して、中央卸売市場の公的使命である、食の安全・安心を確保し新鮮なものを安定的に供給し市民の台所を守るという責務を果たし続けていくことで、過去の経験を超える変化への柔軟な発想と強い行動力が必要であります。

 ところで、最近「少子高齢化」という言葉をよく目にいたします。平均寿命が世界最高に達し、さらに昨年9月、65歳以上の人口が2割に達しました。この大台突破は世界初ということで、少子高齢化の進行状況は世界最高峰であると言えます。この影響を最も受けやすい業界が食品であるとの声を聞いたことがあります。少子高齢化による家族構成の変化がお金の使い道の変化を生み、それが食品支出の低下を招くというものです。つまり、食品が近年の家庭における節約項目のひとつに入っていると思われることです。このように、少子高齢化が現状、食品業界全体にマイナス影響を及ぼしており、今後ますます著しくなっていくと思われますが、逆に発想を転換し少子高齢化を追い風にするようなことを考えていかなければならないと思います。

 停滞にただ立ち尽くす無為とは決別を告げ、挑戦と創造が拓く新たな舞台へステップアップし、企業活力の再生を図ることが求められております。変革の時代に地域や組織は、経営の視点に共感と知恵の共有も加味すべき時がきているのではないかと思います。

 最後になりましたが、皆様方にはより一層のご協力とご指導をお願い申し上げます。


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